為政者の務め

 国民が必要とするエネルギー、水、食糧を安定的に確保するのが為政者の務めだ。戦後、日本の為政者は製造業を中心とした国際競争力を高め、手にした外貨で金さえ出せば好きなだけ手に入ったエネルギーと食糧を買う戦略をとった。その条件としてアメリカとの軍事協定で世界の秩序を守ってもらった。

 今、世界はアメリカの退潮、新興国の躍進など大きく情勢を変えつつある。また、世界の人口爆発にエネルギー、食糧をどうするのか、環境問題をどうするのか。新興国の技術力の追い上げもある。そうした中で日本の戦略はどうあるべきなのか、どのような国家運営のモデルを描けるのかが、為政者に問われている。