原発の運転再開手順

 事故や大地震で停止した原発の運転再開までの工程は、国の判断に対して、いままで全国各地で行われてきた住民の理解(これはしばしば県議会の理解となる)が十分かどうかについてクレームがついた後に、何回かの住民説明会あるいは県の全員評議会などでの説明を国や電力が行って、時間を掛けたのちに議会、知事という順で運転再開などを認めるというパターンである。

 この場合、国が全面に出て説明をするように求められることが多い。この場合、どのような対応、再発防止がなされるのかといった点で議論がされず、単に時間を置いて住民感情が収まるのを待つといった感じが強い。原発で起きた事を感情やイデオロギーでなく、冷静に判断することが大切であり、特に技術的なことは技術的、科学的に理解した上で納得するようにしなくてはならない。

 このような観点に立てば、県の技術委員会が少しでも事実確認や技術的疑問点について国や電力との実質的議論をするのは進歩であり、このような形が全国の先例となるかもしれない。国はこのような形を取り込んだ新たな手続きをルール化する必要があるかもしれない。