張子の虎

 中越沖地震のとき、新潟県柏崎刈羽原発の敷地外9ヶ所に設置していた放射線計測機器は正常に作動し、数値の動きに変化はなかった。しかし、県はそれをすぐに公表することなく判断を国に求めた。設備があっても技術的な判断を出来る能力がないという体制だったのだ。多くの予算を使って設置していた計測機器は張子の虎だった。

 今後、県の体制をどのように改善していくか、また、国や電力との関係をどのようにしていくかの課題とすべきである。大地震の際にはデータが来ないあるいは一部の計器がだめになる可能性が高い。こうしたことに対するバックアップも不足している。過去の防災演習などが無難なシナリオでやってきた結果が反省されなくてはならない。