ドイツのチャレンジ

 昨年は一時期ガソリンが高騰し、大型車をやめ小型車や軽自動車に乗り換える人が多かった。ある商品の価格が高騰すれば、必ず代替品が普及し始める。電力料金がどんどん高くなれば、太陽電池が価格的に有利になって家庭や工場での普及が進む。すると発電所をたくさん抱えている電力会社のコストはだんだん高くなり、電力料金はさらに値上がりする可能性が出てくる。

 うがった見方をすれば、日本では電力料金がここ何十年も値上がりせず、自由化後には何回も下がっているので、これが太陽電池風力発電など自然エネルギーの普及を妨げていることにもなる。

 ドイツでは電力会社に自然エネルギーを特別高く買い取らせる法律を作っているので、電力会社は不満であり、消費者も他国より高い電気料金を支払わねばならず、国内の産業が輸出競争力を失う恐れがある。原発に電力の4割も依存しながらも、しゃにむに太陽光発電を推進するドイツの政策はチャレンジングなものだ。