老朽化するイギリスのインフラ

 イギリスでは電力を石炭、天然ガス原子力で供給しているが、ドーバー海峡を経てフランスから電力の輸入もしている。フランスの電力会社はロンドンの大手電力を買収し、「女王陛下は我々の電気を使って生活している」と自慢している。

 イギリスの発電所はどれも老朽化し、このままでは2020年頃にはすべての原子力発電所も石炭火力発電所も停止する。北海ガス田は枯渇が目の前に迫っている。ロシアなどから天然ガスを買うためのパイプラインも貯蔵施設もまだない。

 一方、新設の石炭火力はCCS(二酸化炭素回収・貯留システム)の併設義務を決めているが、具体的な技術はまだない。原子力の建て替えをするにもフランス頼み。

 産業革命を起したイギリスはほとんどの技術や製品を外国に依存し、もっぱら金融にしがみついている。同じ島国として、どうしても日本の将来に重なって見える。