電力会社の正念場

 浜岡原子力発電所1、2号機の廃止が検討されていることがニュースになり、各方面に衝撃を与えている。中部電力はかわりに大型の6号機を建設することを考えているようだ。いよいよ日本の初期の原子力発電所を高経年化対策の上でさらに稼動させるか、あるいは廃止するかの選択を迫られている。

 この選択が遅れるとまちがいなく数年で廃止の方向に追い込まれる。新設といっても、最低10年程度の時間が掛かる問題なので廃止した原子力発電所の分をすぐにカバーできることはない。初期の原子力発電所でも出力が数10万キロはある。

 今、期待出来るのは比較的新しい発電所の増出力くらいしかない。あとは二酸化炭素を出す化石燃料を焚き増して供給を確保するしかない。それには多額の排出権の購入が伴う。

 電力会社が今迄数十年にわたって電力供給の3分の1を占めるまで作り上げてきた原子力発電がいったん退潮に向かうのか、それとも減らずに増加するのかターニングポイントが近づいている。