醜い体質

 西川一誠・福井県知事は22日記者会見し、北陸新幹線福井県内延伸の認可・着工を巡り、政府が年内の判断を見送る見通しになったことで既に約束した高速増殖炉もんじゅ」の運転再開について「約束がなされなければ、ほかのこともチェックしないといけない」と、県がもんじゅの安全確保などを厳しく監視する意向を明らかにした。

 県が関与を強化すれば、検査などが長期化する可能性が高く、事実上、もんじゅを“人質”に取った格好だ。これまで原発立地地域は政府に対して強気の要求を続けてきたが、ここまでやるのは見苦しい。高速増殖炉は国の将来のエネルギー確保のためにやること。

 それが見返り条件によって厳しく監視したり緩めたりすること自体おかしなことだ。新幹線が来れば、監視を緩やかにして良いものではない。これが幕末に松平春嶽公がいた福井なのだろうか。