日本の技術的優位

 現在のところ日本の原発メーカーの技術力は定評があるが、果たして原発機器の製造、原発の建設で将来とも日本がリードを保てるのか心配だ。

 中国はすでに最新の原発建設において国産化率が50パーセント。原発技術は建設とメンテナンスで培われるが、中国の建設ペースが速いので、技術者のレベルと層の厚さは年々着実に増している。

 韓国の斗山重工業は海外からの機器の受注に沸いており、国と一体で途上国の原発建設の受注活動を続けている。中国も韓国も優秀な若手技術者が数多くいることが強みで、このままでは日本のリードは少なくなる一方だ。

 フランス、ロシアのメーカーも世界市場で活躍しながら、技術力を磨く。その時点で日本の売り物となり得るのは日本メーカーのユーザーフレンドリーな点くらいだ。日本の技術的優位を維持するためにはどうしても海外から原発受注をたくさん取る必要がある。