緊張感

 何年か前に韓国の東海岸にあるウルチン原発を訪問したことがある。出てきた所長に「日本の所長より大きな権限があるようで楽ですね」とぶしつけな質問をしたところ、かえってきたのが「とんでもない。年度ごとに発電量や人員削減、コスト低減などの目標がノルマとして社長から示され、それを達成できなければ首が危ないので大変なのです」との答え。

 日本では危険な運転につながると自治体が難色を示すことに気兼ねして、発電所間で、あるいは電力間で競争をさせたり、ノルマを課したりすることを意図的に避けている。ノルマや競争とは縁遠い雰囲気だ。