底の浅い自然保護

 シーシェパードの暴挙やクロマグロ問題に見られるように、近年欧米の環境保護運動は激しさを増している。環境保護は欧米発の言葉であるが、この保護という言葉自体既に人間が環境を保護してやるという尊大な思想が読み取れる。

 東洋思想特に日本人の考え方は自然との調和、共生でありそのもとになっている神道では自然に対する畏敬の念がある。縄文文化には狩猟採集対象に対する感謝、弥生文化には農耕における雨土の恵みに対する感謝の気持ちがある。

 この長い歴史の上にたつ自然観は、ミンクやバッファローを絶滅に追い込み、油のためにクジラを採りつくそうとした欧米人が近年急に自然保護を訴え始めたのとは根本から異なるものだ。