アメリカの復活

 アメリカのバブコック・アンド・ウィルコックス社がカリフォルニア州にあるディアブロキャニオン原発の圧力容器の蓋を製造し先ごろ完成させた。この製品は原子炉圧力容器という最重要部品であり、これを製造することは原子炉の供給の手がかりとなる。

 アメリカは長らく原発の新規建設がなかったため、製造メーカーは原発関係の技術を維持出来ず、ウェスティング・ハウスは東芝に買収され、GEは日立と合弁している。

 この仕事はフランスの原発企業アレバ社からの下請け仕事であり、原材料となる鍛造品も日本製鋼所製だというが、アメリカの原発技術の復活の兆しとして注目される。

 このほかにもアレバ社は、米国の新規原子力発電所向けの大型機器を製造するため、米国最大の造船企業であるノースロップ・グラマン社と共同で、世界最大規模の原子力機器製造・エンジニアリング施設をバージニア州ニューポート・ニューズ市に建設すると発表している。

 東芝も傘下のウェスティング・ハウスがアメリカの制御機器メーカーのCSイノベーションズを買収すると発表。アメリカを舞台にした原発国盗り物語が繰り広げられている。