ピンとこない

 地球温暖化が現実のものだと認識されてからかなりの時間がたつ。この間にも着実に環境悪化が進んでいるはずが、地球上に住んでいる人々にはそれほどの切実な思いはない。ゆでガエルの例えの通り、徐々に進行するものに対しては慣れっこになってしまい気がついたときには取り返しのつかない状況になる。

 世界核戦争まであと何分という時計があったり、オリンピックまであと何日というサインボードがあるが、二酸化炭素濃度などについてこうした指標を示すのも人々の意識付けのために有効なひとつの方策ではないか。スエズ運河を通行する船舶数が減ったとエジプト政府が発表したが、日本が石油を輸入するためのタンカーの列はあいかわらず途切れることなく続いている。