安全安心

 食品にせよ医療にせよ最近のキーワードは安全安心だ。総理大臣をはじめ、知事や大企業のトップまで事件事故の際のインタビューに答えるときは「安全安心を」と言っていれば済む、いや言わなくてはならないと心得ている。だが、安全安心という言葉をそんなに安易に使っても良いものか。安全と安心は意味が違い、安心は情緒的なもの。ずっと安全な状態が続いた結果に、安心感が生まれる。

 気になるのは、安心という言葉の裏に誰かに守ってもらうという依頼心が感じられること。国民はぼんやりとしていても安心して暮らせるようにしてもらいたいという一方的な考えがあり、それがなされていないことに対する苛立ちが安全安心の連発される原因になっている。