抵抗する日本

 日本文化は外国文化を巧みに取り入れてきたと言われているが、抵抗、拒絶もある。キリスト教は宗教の自由が保障されてからも信者は増えない。日本人は科学技術の恩恵は喜んで受け入れるが、科学的な考え方を理解し、信じるのは苦手。

 原発をはじめ、遺伝子組換え食品や、化学薬品などを心理的に避けがちだ。理由を聞かれるとはっきり答えられず、好き嫌いの感覚的反対が多い。もともと日本人は自然の素晴らしさを直感的に理解していて、人工的なものはどこか落とし穴があるのではないかと考えている。

 欧米人との違いはこの自然理解や自然崇拝。欧米人は人間以外のものを自然と呼んで人間のためにこれを消費するのを当然と考えてきた。歴史を遡れば科学はキリスト教から生まれてきた。日本人が科学的なもの、欧米型発想を全面的に受け入れないことは日本や世界の将来になんらかの影響を与えるはずだ。