地震と原発

 世界最大の原発である柏崎刈羽原発中越沖地震で停止したの機に大地震原発の安全性が急にクローズアップされている。原発の日本の原子力発電導入時、耐震問題が最も大きな課題であるとの認識があり、日本が最初にイギリスから輸入した東海発電所は炉心の設計においてさまざまな改良をしていた。

 天然ウランを使用しガス冷却型であった東海発電所の炉心は黒鉛ブロックが積み重ねられており、それが地震によって崩れることを防止するために、黒鉛を蜂の巣状に形を変えて、互いにロッキングするという大きな設計変更がされていた。

 電力会社には地震の専門家もいて、耐震設計についてメーカーやゼネコンをリードしていた。その後、軽水炉が次々と建設されたが、原発立地地点での大地震がほとんどなかったことから、軽水炉についての耐震問題への関心が薄れ、地震に関する調査研究の進展に比較して原発設計の見直しが遅れをとったことが今回の柏崎刈羽原発問題に響いている。