原発の新検査制度と電力会社

 原発の検査制度が大きく変更されようとしている。従来、役所が決めた項目について検査が行われていたが、今後は電力会社は何時、どのようにメンテナンスを行うかについて自ら保全計画を作成し、これにしたがって自主的に取り組まなければならない。

 その計画が妥当なものであるかを保安院がチェックするのだが、電力会社はどの機器について、どのくらいの頻度で、どのような検査と手入れをするかを独自に決めるようになる。

 そのためには電力会社自らがその根拠を明らかにしなければならないが、それには保修経歴も含め機器に関するデータをしっかり把握するとともに、普段からモニタリングしてそれを分析、評価するかについても能力がないと出来ない。

 いよいよ電力会社がその実力を試されることになる。今まで、メーカーなどに丸投げしていた電力会社は自社でこのようなことを出来る実力がついてない。結局メーカーにまた下書きを頼まなければならない。これはコスト増につながる。これからは電力間の技術的実力差がはっきり現われるだろう。